支部長挨拶

支部長挨拶

 3年以上にわたって猛威を振るった新型コロナ禍は終息に向かいつつあり、人々の活動が徐々に活性化してきました。同時に、国際紛争や天災による電気代の高騰や工業部品の枯渇など、新たな問題も出てきています。こうした時代背景にあって、我が国の産業を再び高めるとともに、次世代を担う人材の育成を謳う応用物理学会に寄せられる社会の期待は益々大きくなっています。

 応用物理学会東北支部では、学生や若手研究者が研究発表や学術交流を行える場として支部学術講演会を毎年開催しています。ここ数年間はハイブリッド形式の形態を取っていましたが、完全対面化の実現に向けて舵を切ります。また、東北地方には魅力ある半導体関連企業が多く存在しており、近隣の大学に在籍する学生がこれらの企業を就職先として積極的に選択できるように、産官学の共同体(T-Seeds)との連携を深めていきます。そのためにも、支部学術講演会の場を中心に企業と学生がふれあう機会を設けて参りたいと思います。

 リフレッシュ理科教室は、元々は小中学校の理科の先生向けの啓蒙的なイベントでしたが、最近ではそれに加えて、小中学校の生徒の皆さんに理科工作を体験してもらう対面式の教室を東北各地で展開しています。小学校の低学年のうちに、物理現象を応用した工作を体験して理科への興味が芽生えるきっかけを作ることが、「理科離れ」に対する方策の一つと考えられますので、支部の企画運営を支える若手教員を中心に今後も新たな教材を開発していきます。

 私の今後2年間の任期では、百生前支部長から引き継いだ路線を基本的に継承しつつ、ポストコロナにおいて必要とされる支部活動を積極的に取り入れて参ります。支部の運営にとって、諸先輩方の大所高所からのご助言も欠かせません。引き続き、支部会員の皆様から、広くご指導・ご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和6年4月 応用物理学会東北支部
支部長 宮﨑 讓

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